SASAKA's Memo

消費したものや感じた事のメモです。

セッション

町山さんの2014年度2位の映画ということで、前々から楽しみにしていた本作をようやく鑑賞。

 

デミアン・チャゼル監督が脚本に携わったという「グランドピアノ 狙われた黒鍵」は以前に観ていて、あの脚本からアカデミー賞候補にまでなるなんて大した成長だなと思っていたのだが、あまり印象は変らなかった。どちらの映画もジャズとクラシカルとジャンルは違えど音楽を扱っているのに、その音楽へのこだわりや愛情が感じられないのだ。

 

グランドピアノと同じく常に緊張の中で演奏を強いられる。それも短いフレーズや反復練習ばかりでまともに曲を聴くことができるのはクライマックスのキャラバンだけだ。おそらくそこへ頂点を持ってくるために意図的にこのような展開にしたと思うのだが、全く盛り上がらない。ビッグバンドの演奏であんな独りよがりな長時間のドラムソロを披露して盛り上がるだろうか?人間性とは別に、音楽を通じて二人は別の次元に到達したというオチだと思うのだが、その媒体たる音楽に説得力がないので、エンディングにも「?」と思ってしまった。

 

あとフレッチャー教授があのような理不尽な振る舞いを行いながら、彼が職を維持できる、彼のバンドが良いプレイヤーを集められる理由に考えが及んでしまうのも、その音楽に説得力がないからだろう(というより前述のようにまともに音楽は聴けない)。こういったところに菊地成孔氏はまったをかけているのだろう。

 

細かな演出がしっかりしているのと高校時代にドラマーとしてしごかれたというのは本当のようなので、それなりには観れてしまうが、正直アカデミー賞にノミネートされるような映画には思えなかった。

 

それにしても日本語版タイトルの「セッション」はセンス無さ過ぎる。

 

以下箇条書き。

  • 親父と仲が良過ぎて気持ち悪かった。
  • 全く練習に参加しないでライブ当日?
  • ドラムスが帰ったらその後の演奏はどうするつもりだった?
  • キャラバンは他の人達も練習してた?
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