イニシエーション・ラブ
堤幸彦監督がイニシエーション・ラブを映像化するということで、どうせトンデモな出来になるんだろうと思いつつ、原作も特に目新しい小説だった訳でないし、でも未見で批判するのは嫌だし等とウジウジしながら劇場予告編を3−4回観たと思う。松田翔太が普通に辰也として演技している映像の最後に「あなたは既に騙されている」の文字とナレーション!ん?全然分からないぞ!まさかの双子でしたってトンデモ設定か?他人の空似?それともストーリーを映像用に改変してる?考えても考えても「これぞ!」という映像化にあたっての戦略が思いつかない。そして1日で安いしと、Zアイランドと迷った結果、こちらを鑑賞。
そしてSide-B(後編)が始まった瞬間に劇場を出てやろうかと思ったが、せめてツッコミポイントを探してやると思いつつ何とか最後まで鑑賞。ある意味で原作に忠実でした。でも最後に辰也が静岡まで行ってしまって、「タッくん」と呼ばれている夕樹と鉢合わせるんだよね。映画的な盛り上がりとより明確なオチが欲しかったのは分かるが、女性の強かさと男の浅はかさを対比していた原作の雰囲気がぶち壊されたような感を覚えた。アラン・スミシーとか洒落た映画豆知識披露している場合じゃないよ。
原作読んでない人にはトンデモ返しじゃなくて、ちゃんと痛快なドンデン返しになっているのか疑問。それにしても堤監督の作品と知って観に行っておいて、憤慨してしまうなんて当たり屋としてまだまだ修行が足りないです、はい。
以下箇条書き。
- 木村文乃さん可愛かったです。でも彼氏のフルネームを2回言うな!
- 照明やすだれ使った気持ちのすれ違いの演出とかわかりやすくて良かったです。
- ストーリーに合わせて曲が流れるんだけど、映像に合わせて見ると年代めちゃくちゃが気になる。「ラブストーリーは突然」にとか未来の曲ですから。
- 最初の秘密がどうちゃらのメッセージいらない。
- 最後のネタ明かしパートいらない。
- エンディングの昔のツールの説明いらない。
- 片岡鶴太郎と手塚理美による男女7人物語オマージュや木梨憲武による80年代オマージュいらない。