SASAKA's Memo

消費したものや感じた事のメモです。

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

ベネディクト・カンバーバッチがまたもや天才、いや異才を演じた映画。

その演技は確かで、見事に人間らしくない部分と大多数の人と同じ部分を的確に表現し、場面によってその比重を上げたり下げたりしているのを存分に楽しめた。まさに彼は人間なのか否か、表題のイミテーション・ゲームに繋がり、非常に奥の深いテーマ。でもその非人間的な人が我々では創造も出来ないような新しいモノや価値観を作り上げて世の中を押し上げていく。巷で評判のスティーブ・ジョブスもそうであろう。もっと彼の非人間的な部分が取り上げられるべきではないか。映画「スティーブ・ジョブス」では反対に、人間的過ぎる部分として、破綻した人格による周囲を振り回す姿を描いていたが、本作のようなアプローチもあったのかと思う。

キーラ・ナイトレイも良い。いつまでも垢抜けない感じが最高で、現代が舞台のアメリカではきついかもしれないが、19-20世紀の文芸物などにはその存在力が炸裂する。「危険なメソッド」とかも炸裂しまくってた。特に戦争終結後にそれなりの格好でアラン邸を訪れる場面での無理している感とか見入ってしまった。最近口紅の広告塔になっていて良く見かけるが、あのブランドのターゲットはそういう人たちなのだろうか?少なくとも私はターゲットではないので心配してもしょうがない。

そして、暗号解読に成功してからがこの映画の本題。ドイツに暗号解読を悟られないように、対応すべき情報を統計学的に決定する。戦況に大きく影響のない前線は見捨てるという苦渋の選択を「ガッチャマン」のスタッフに観て欲しい。ただ、この辺から技術面の描写が一気に淡白になるのは仕方ないか。表題にもなっているイミテーション・ゲームに至っては映画では多くの人が何を言っているのか分からないだろう。刑事のキャラクターに深みを与えることによって、何とかなったのではないかと思ってしまう。まぁ時間は長くなってしまうだろうが・・・。

 

以下箇条書き。

  • カンバーバッチと「裏切りのサーカス」でのスパイ仲間であるマーク・ストロングがMI6幹部役で登場した時に少し上がる。
  • 国家の最高機密を一介の刑事に喋る?
  • 少年時代の描写が良い。程よいBL感。でも手紙に書いた暗号は簡単すぎるかと。
  • ソ連のスパイ役のアレン・リーチをエンドクレジットまでショーン・アスティンだと勘違い。

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密とは編集