SASAKA's Memo

消費したものや感じた事のメモです。

映画 プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪

 シナリオといい、絵といい、全体的に大味なつくりと感じてしまった。

 

 カーニバルと言うことで各プリキュアシリーズによるステージが順番に披露されるがCGはごく一部、Mステ風のやりとりも間が抜けていて(それを狙ったのかもしれないが)、カーニバル感が全く感じられない。普通のシーンも喋っているキャラクター以外は微動だにしないという鉄板の演出。オールスターズはいつも絵柄の異なるキャラクターを共存させると言うことで苦労しているのは分かるが、年の一度のお祭りなのだから予算や工数とは別にもう少し工夫が欲しい。

 

 前述のMステ風のやりとりも含まれるが、随所に見られる乾いたギャグは何回か場内の笑いを誘っていた。このようなパロディや自虐ネタによる笑いが散見されるのは、やはり妖怪ウォッチの影響が大きいのだろうか。劇場版の「妖怪ウォッチ」もそうだったが、細かなギャグの連発はストーリーに自信がない裏返しのように感じられてしまう。ストーリーに深みを持たせる鍵となるのが悪役だが、今回はオリエンタルラジオの二人が演じるオドレンとウタエン。歌って踊れるふたりがキャスティングされているということで、どこかで新境地に達している最近のネタパロディでも入るのだろうと思っていたら、いわゆるアンパンマン的なステレオタイプな悪役で終わってしまったので残念だった。一応ふたりが歌う場面もあるが脈絡がなく急に自己紹介的に歌い踊りだすので、「名前の設定は!」とひとりツッコミを入れてしまった。BL感も流行にのって入れたのだろうが、なかなか良かった。

 

 本シリーズに共通の頑張れば何とかなるクライマックスは相変わらず。今回はミラクルライトが配布されていないので、本当に歌いだしたら何とかなっちゃったと言う感じだけが強調されてしまっている。特に崩壊したハルモニアが戻っていくところは思わず笑ってしまった。プリキュアに限らないが、どうして勝てたのか、どうして困難を乗り切ることができたのかというロジックは、日本のアニメの課題だと思う。悪役の弱点や過失の設定や、臨機応変な対応などシナリオ的にはそう困難でないと思うのだが、テーマ自体が愛や友情、今回で言えば「歌と踊りの力」であるのが原因なのか。絶対神を信仰しているはずの欧米の作品の方が、絶対的な何かに頼らずシナリオライティングされているのが面白い。

 

以下、箇条書き。

  • 春香の緊張(人前で演技が苦手)を克服する具体的なエピソードが欲しかった。
  • モーニング娘かわいそう。
  • エンドクレジットでロングドレスバージョンの市販の衣装着てた子かわいそう。
  • 秋映画の宣伝に独自素材なしで、二の舞の予感。
  • キュアハニーのスピンオフ作品見たい。