SASAKA's Memo

消費したものや感じた事のメモです。

かぐや姫の物語

あまり大きくない部屋だったものの、平日の午後3時からの回でほぼ満員。しかも学生カップルから老夫婦まで各世代が揃っているような幅広い観客層は物語の力だろうか。


月の世界(極楽浄土?)は穢れなき世界で、その住人たちも「無」の状態でなければならない。姫は地球への憧れを抱いてしまったために、その雑念を取り除くための強制プログラムとして地球へ送り込まれる。残酷なのはそのプログラムの効果を最大限にするために、最も姫を愛してくれるであろう老夫婦のもとに預けられることだ。結末を知っている身として、赤ん坊から少女へと変化していく日常のシーンで既に涙してしまうほど、本当に自然に無垢に彼らは姫を愛でる。やがて翁は黄金や反物を介した月からのメッセージも正確に読み取り、家族で都へ赴く。都での高貴な人々との交わりの仲で、彼らの邪まな心(穢れ)を感じ取った姫は、知らず知らずのうちに月へSOSのメッセージを送る。捨丸とのつかの間の邂逅は、姫に彼となら月に帰ることなく地球での人生を全うできたのではないかと思わせるが(飛翔は性交のメタファ?)、そうではないこともまた悟っている。そして、月からの使者として阿弥陀如来が姫を迎えにきて、地球での彼女の命をリセットする。月に赤ん坊姿の姫が重なる(転生?)。


都会 田舎

文明 自然

地球 月

雑念 悟入

穢れ 清浄