SASAKA's Memo

消費したものや感じた事のメモです。

書籍

火花

遅ればせながら話題作をkindleにて読了。 芸人の20代から30代のいわゆる下積み生活が非常にリアルに感じられる筆致には単純に脱帽。無論「僕」は又吉自身の投影であろうが、師匠である「神谷」は何となくメッセンジャーの黒田を被らせながら読んでいた。「真…

ラブホテル進化論

様々な偏見に遭いながら研究を続けてきたであろう事を考えると賛辞を送りたい。 どのような角度から対象に迫るかは研究者本人の趣味嗜好や興味に依存するところではあるが、ホテルの利用者(客)からの視点が不足しているように思えた。どのような基準でホテ…

マリファナも銃も馬鹿もOKな国 言霊USA

相変わらずの町山節を堪能。右vs左や陰謀論に取り付かれたアンチ体制の問題など日本と共通する問題も多いが、それが人種や宗教に絡んでいて規模や結末が桁違いなところがアメリカの面白いところだ。 Columbusingが「他人のものを見つけたと言い張ること」 マ…

桐島、部活やめるってよ

町山智浩氏の話を視聴以来、映像化作品と原作を比較するのが面白くなっているので、朝井リョウ氏の作品を初体験。 原作は比較的桐島の存在感は希薄で、直接的に影響を受けるバレー部の章以外では言及自体も少ない。テーマもそれぞれの章で多様である。もちろ…

鹿の王

本屋大賞を受賞したことを受けてKindle版を購入。 上橋菜穂子氏の著作は初めてだったので、その重厚な世界観には率直に驚いた。特に科学的考証と独自の世界観の融合のバランスが絶妙で、過去に実際にこのような国があったのではないかと感じられるほどだ。あ…

ゼロの焦点

何度も映像化されているので、大まかなあらすじや犯人は知っていたものの、改めて読了。 慎ましやかでありつつも、積極的な行動で犯人に迫る主人公が戦後の女性としての価値観を体現しているように感じられ、前世代の戦争に翻弄された女性としての犯人との対…

点と線

時刻表物の先駆にして最高傑作のひとつとされる本作はさすがの一言。 トリックに焦点が当てられがちだが、夫の愛人を公認しつつも嫉妬を覚える病弱の妻や、その愛人を商売のために殺害する夫など、人の暗部の描写が実は恐ろしい。しかもそれらは当事者によっ…

マーケット感覚を身につけよう

組織や規制の内側で変化を恐れるよりも、市場に出て変化を楽しめる側になるべきである。そのために必要な能力のひとつが、市場での価値に気づくことの出来る「マーケット感覚」であるという主張。 一方、その「マーケット感覚」という能力を誰でも訓練によっ…

「意識高い系」という病

いろいろなメディアに掲載された著者の過去の記述をまとめたということで、ちぐはぐなモザイク画のような印象。意識の高い若者を上げたり下げたり、「意識高い系」と「意識高い系(笑)」を突如区別してみたりと主張も一環していないように感じられた。結局…